廣本季與丸

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「李」(すもも) 油彩画・キャンバス F3号 
制作年:1960−1970年代(推定)

廣本季與丸(ひろもと・きよまる)1908−1975年 


愛知県生れ、1928年太平洋美術学校卒業、1934年帝展初入選、1935年太平洋展相馬賞、
1939年文展入選、1994年兵役・北支派遣、1945年復員、1965年日展無鑑査、
1993年蒲郡市博物館・広本兄弟展、2002年柏わたくし美術館・広本季与丸展、
2006年豊橋美術館・所蔵絵画名品100選絵画ベスト10に選ばれる。

芸術とは権威者の思惑があって評価されてはならないと思うが
どの世界でもそうであるようにそれなりの他力を得なければ世に出ることは難しい。
絵画は特に見た目が明確なので万人が綺麗と感じるものが受けやすい。
それは題材、色彩、技法、大きさなど主観的に感ずる部分と思う。
画家の人柄、生き方、作品の背景などは見た目ではわからない。

物故画家は特に生存中の評価?が後世に残る。
名も知られていなかった画家の多くは跡形もなく消えていく。
そんな中で没後37年、廣本は再評価されている。

画家を志し20代に帝展・文展等で入選、頭角を現わすも36歳で出征し画業中断、
戦後復帰し日展出品歴多数、最終的には無鑑査となるが賞には恵まれなかった。
画壇の中心人物や審査員との関わりを意図して持たなかったことが評価の舞台に上がらなかった由であろうか。
作品は身近なものばかりで地味な静物画や家族をモデルとしたものだ。

画家の信条は画集等に次のように残されている。

<永遠なる生命感を>
これが私の信条です
空を描けば 風を感じ
水を描けば 汲み取れる水を
人を描けば 肉体の暖かさを
仏を描けば 幾年を経た良さとこうごうしさを
石を描けば 其の重量感を
花ならば 其のみずみずしさと香りを
子供を描けば その歌声も
画道に熟練は元より
詩あり文学をともなってこそ
永遠なる生命があり
人々の心に応えるもののある作品を願う

静謐に描かれた李から清貧な生きざまを感じる。
まさに画家の信条が表現された作品と思う。
これほどの画が世に埋もれてしまってはもったいない。
目利きコレクターの間で再評価されている廣本作品は
閉塞感漂う今の時代の人々に真の生き方を示唆しているように思う。



(所蔵参考資料)
廣本季興丸画集(2007年)





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「花」 油彩画・キャンバス P8号 
制作年:1960−1970年代(推定)

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「ザクロ」 油彩画・キャンバス F8号 
制作年:1960−1970年代(推定)

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「裸婦」油彩画・キャンバス SM号 
制作年:1960−1970年代(推定)



by art-tomnog2014 | 2014-01-25 11:55

平凡なサラリーマンが20数年かけて蒐集した絵画を紹介しています。

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