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内田静馬

内田静馬 (1906-2000) 木版画家

埼玉県川田谷村(現・桶川市)生れ、旧制川越中(現・川越高校)から東京高等工芸学校(現・千葉大学)卒業。
1928年第6回春陽会展入選を機に版画家として歩み始める。
1934年「海水浴場」パリ国立図書館買上。
以降ジュネーブ・マドリッド・サンフランシスコ・ロスアンゼルス・ニューヨークなどの海外展に多数出品。
1939年新日本百景に「雪の高田市」配布。
戦時中一時活動を中断する。
1951年内田静馬版画展開催(東京・銀座)、以降各地にて版画展多数。
1968年海外色彩調査団に同行し渡欧(フランス、イギリス、オランダ、ドイツ、スイス、イタリア)。
2005年川越市立美術館による顕彰から再評価される。(顕彰に携わったO学芸員の功績大)
70年間の画業を木版画一辺倒にこだわった希少な作家である。

(主な収蔵先)
川越市立美術館
和歌山県立近代美術館
町田市立国際版画美術館
国立国会図書館
パリ国立図書館
埼玉グラフ株式会社
川越ペンクラブ

(所蔵参考資料)
内田静馬「素朴美のまなざし」・川越市立美術館(2011年)
木版画の制作技法・理工学社(1972年)
日本の民画・理工学社(1978年)




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「花」 木版画・紙  29.8×22.6cm  19/30 
制作年:1993年

花瓶に挿された色とりどりのスイトピー。最後の作品と考えられる。
輪郭線を伴わない表現のせいもあって、往年の力強さは影を潜め、どこかはかなげである。
(素朴美へのまなざし・解説頁から)


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「運河添いの街」 木版画・紙  30.5×41cm  30/45 
制作年:1969年

1968年に渡欧した際に「アムステルダム風景」を制作しており、
本作品は同作と同じ風景地「プリンセン運河」である。
墨版を含め全5版から成り背景の黄系から青系へのグラデーションは1版で摺っている。
題名を「運河沿い」とせず「運河添い」とした内田のこだわりを感じる。
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「広告塔のある風景」 木版画・紙  28.4×18.4cm 
制作年:1969年


日本人観光客の多くが驚きを持って注目するのが、この日本に存在しない広告塔だろう。
文字通り、広告を貼るために屋外に設置された円筒形の柱のようなものである。
静馬の新鮮な驚きを疑似体験できる作品。(素朴美へのまなざし・解説頁から)

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「大師堂内陣」 木版画・紙 27.2×36.1㎝ 
制作年:1960年頃

川越で大師堂といえば喜多院である。提灯をクローズアップする手法は
歌川広重<名所江戸百景 浅草金竜山>を想起させる。
関連性のあるスケッチ等は見つかっていないが、
作品名は1961年(昭和36)の日記には登場することから、
最初の<川越八景>を構成していた1図と見て良い。
(素朴美へのまなざし・解説頁から)
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「秩父山塊」木版画・紙 27.2×36.1㎝ 
制作年:1971年

黒々とした山容の要所要所に添えられる淡い青系の絵の具がアクセントとなっている。
写生帖「上州の旅」に「秩父久那よりの武甲山」と記された1969年(昭和44)の
同図様のスケッチがあり、秩父連山の武甲山を描いていることが分かる。
(素朴美へのまなざし・解説頁から)


by art-tomnog2014 | 2015-04-18 18:15
平凡なサラリーマンが30数年かけて蒐集した絵画を紹介しています。

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