2014年 01月 24日
内田 晃
「ベネチュア風景」 油彩画・キャンバス F6号
制作年:1970年代
内田 晃(うちだ・あきら)1918ー2004年
埼玉県生れ、1954年白日展入選、1955年白日展特選・会友推挙、1958年白日会会員推挙、
1967年第一美術展特選・会員推挙、1968年第一美術展特選・委員推挙、
1969年1970年第一美術展最高賞、1974年大調和会会員推挙、1975年大調和会委員推挙、
1986年画業50周年回顧展、1989年大調和展文部大臣賞、2002年二元会常任委員推挙、渡欧30回超える。
西欧風景画、静物画に定評のある洋画家
また人間愛、平和を尊ぶ社会風刺作品も貴重で画家の人柄が知られる。
代表作は「壁」(さまざまなチラシが貼られた壁の中に戦争反対のちらしがある)、
「征服者」(地球をゴミが汚染する)、「相続争い」、「老いたるボス」などの芸術的作品がある。
70年余りにわたる業績は数多くの作品を残した。
ゆかりの埼玉県飯能市では名栗庁舎ギャラリーにて「画業70年をたどる内田晃展」(平成17年7月~8月)が開催された。
一方で生活のために売り絵といわれる画廊や百貨店での個展を余儀なくされる。
ここで内田の絵は一般個人等に人気を博し売れまくる。
出身地の埼玉では地場企業の社屋や個人の資産家宅に収まっている。
卓越した技量は多くの人を魅了した。
それは生涯、職人画家であることにこだわり続けた画家自身の生き方によるものだろう。
没後10年、最近のオークションでの内田作品は高値で取引されている。
生前の人気が継続している証しである。
多くの作品は2004年に埼玉県飯能市に寄贈されたがそのまま死蔵されてしまうのか。
あるいは美術館レベルで紹介される機会があるのか。
このまま埋もれたら勿体ない。
再評価する専門家の手にかかっている。
この作品は古書店を営んでいた亡き従兄が闘病生活の時に
絵画好きの私に贈ってくれた涙の記念品であり内田晃を顕彰するきっかけをつくってくれたものである。
(参考資料)
画業70年をたどる内田晃展パンフ(2005年)
<他の作品>
「ばら」 油彩画・キャンバス F3号
制作年:1970年代
「武蔵野晩秋」 油彩画・キャンバス F3号
制作年:1970年代
「ポピー」 油彩画・キャンバス SM号
制作年:1973年