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鶴田吾郎

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「波切(なぎり)」水彩画・紙 32×41㎝
制作年:1953年頃



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鶴田吾郎(つるた・ごろう)1890−1969年

東京生れ、早稲田中学中退後、倉田白羊、中村不折に師事。1906年白馬会研究所、1907年太平洋画会研究所、中村彝、中原悌二郎と交流、1913年から20年にかけて朝鮮、満州を放浪。帰国後東京・下落合の中村彝アトリエ近くに住み、中村との競作「盲目のエロシェンコ」を描き第2回帝展入選。
第二次世界大戦中は陸軍省派遣画家としてサイゴン、シンガポール、パレンバンを廻る。
戦後は日本各地を旅し自然風景と人の営みを描き続けた。

本作は三重・志摩の大王崎にある椿に囲まれた歩道を天秤棒を担いで歩く女性を描いている。画のサインの下に「nagiri」と書かれている。鶴田の同様の作品はこれが題名とされている。
波切は戦前、戦後共に訪れているが本作は1953年に伊勢を旅した際に描かれたものと推察する。


(所蔵参考資料)
キャンバスの詩人/鶴田吾郎展・新宿小田急(1979年)
半世紀の素描・中央公論美術出版(1982年)
素描の旅・木星社書院(1931年)



(他の作品)
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「吹浦(ふくら)」リトグラフ 10/25 27.5×37.5㎝
(原画:素描は 淡彩・紙 制作年:推定1950年代)


吹浦は山形県遊佐町の吹浦と思われる。
鶴田は戦後、1950年代に東北各地を歩きスケッチしている。
1953年に山形方面を歩くという記録があり、このあたりのスケッチと推測する。
この原画は1979年(昭和54)新宿・小田急百貨店で行われた鶴田吾郎展画集の表紙図版でもある。

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「薪を背負う女たち」 油彩・キャンバス F6号 
制作年:不詳


画業65年の大半が写生の旅だったという。
舞台となった北海道から九州までの全国におよぶ地の働く人々が多く描かれた。
鶴田はその地で生活する人々を愛し懸命に生きる息吹を感じたのであろう。

題材は素朴であるが強いヒューマニズムを持ち合わせた作品はいずれも訴えるものがある。


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「練習中のオーケストラ」 淡彩・紙 35×53.5cm 
制作年:1958年

1979年1月4日~1月17日 新宿小田急11Fグランドギャラリーで開催された「キャンバスの詩人・鶴田吾郎展」の出品作である。
(同展図録NO.111に掲載されている。)


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「鷹の巣」 淡彩・紙 27.5×40.8cm  
制作年:1954年(推定)






by art-tomnog2014 | 2015-11-24 17:01
平凡なサラリーマンが30数年かけて蒐集した絵画を紹介しています。

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